リスティング広告の「品質」と「品質スコア」についてもう一度学ぶ記事

作成日:2019/7/12

リスティング広告の「品質」と「品質スコア」についてもう一度学ぶ記事

構成案勉強会に申し込んでくださった方を見ていたら、とても遠方からご参加頂ける方がいらっしゃって、東京か横浜かなんて考えてないで早く実施すればよかったと思っています。この記事を書いている2019年7月12日時点では、あと少しだけ残席がありますよ。


野良のリスティング運用者を名乗っています、acssembleの新田です。


今回はみんな大好き「品質」のお話です。


リスティング広告の最も大切な概念のひとつの品質ですが、診断やコンサルティングをしていると、誤解している人が案外多いと感じています。

なので、わたしが運用者向けの研修をするときの説明の仕方と、よくある間違いを紹介しつつ、リスティング広告の品質についてまとめました。


リスティング広告の運用に関わっていると、「品質スコア(Yahoo!スポンサードサーチの場合は「品質インデックス」ですが、この記事では「品質スコア」に統一します。)を上げれば広告ランクも上がって成果も改善するんだよ」、なんて一度は見たり聞いたことがあるのではないでしょうか。

これ、間違いではないのですが、正しくない場合があります。と、言うのも、そもそも品質スコアと、広告ランクの算出に使われている品質は別物なので。

この記事では、管理画面で確認できるものを「品質スコア」、実際のオークションで使われているものを「品質」とそれぞれ呼びます。

品質スコアの上下が実際の品質の上下と近い動きをする場合と、まったく関係ない動きをする場合がありますので、品質スコアと品質が近い動きをする場合とそうではない場合を把握しなければなりません。


※この記事の内容は、Google広告の品質について、Googleのヘルプ・Googleの学習教材の内容を、わたしが解釈してまとめたものとなりますので、Googleの見解とは異なる可能性があります。


※acssembleの記事は不定期更新です。

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目次

キーワードの「品質スコア」と広告の「品質」は別物です

Google広告のヘルプにも明記してあるのですが、「品質スコア」と「品質」は別物です。


「品質」は見ることができないのに対して、「品質スコア」は管理画面上で確認することができます。だから話題にしやすいのか、「品質スコア」という言葉がひとり歩きしている印象を受けています。


今回はあえてGoogle広告のヘルプは引用せずにご説明します。というのも、Google広告のヘルプや学習資料において、「品質スコア」と「品質」については、様々なページに分散してしまっているので、慣れないとかえって混乱してしまうので。


広告の「品質」とは

「品質」は、検索語句・広告文・リンク先の関係・過去の配信結果などをもとに広告オークションのたびに毎回算出されるものです。

なので、「この広告の品質は53万です」というような決まった値はありません。また、「品質スコア」が10段階の整数で評価されているので誤解されがちですが、「品質」は10段階でも整数でもありません

また、「品質スコア」がキーワードの項目として存在しているので誤解をされがちなのですが、「品質」はキーワードに関する数値ではなく広告に関する数値です、なので、「このキーワードの品質はいくつです」という考え方はなく、「品質が高いキーワード」というものは存在しません。


要点をまとめると、以下のとおりです。

  • 「品質」はオークションのたびに計算される
  • 「品質」は広告に関する数値
  • 「品質」はキーワードではなく検索語句で計算される

キーワードの「品質スコア」とは

リスティング広告の成果は品質を高めることで改善できると言ったって、広告の品質はオークションのたびに計算されて決まった数値は存在しないんじゃぁ、いったいなにを見ながら品質を改善すればいいんだ!という声があったのかどうかはわかりませんが、品質を改善するための参考として用意されているのが「品質スコア」です。


「品質スコア」は、キーワードの語句と完全に一致する検索がされたときに、そのキーワードと同じ広告グループ内の広告が表示された場合の品質を10段階で推定した数値管理画面に表示されるものです。

ポイントとしては、「品質スコア」はあくまで「品質」を推定するためのもので、実際のオークションには使われていないということです。

また、「品質スコア」は、キーワードの語句と完全に一致する語句で検索された場合の推定なので、完全一致以外のキーワードでは、品質スコアの数値の上下と実際の品質の上下が比例しない可能性があります。


要点をまとめると、以下のとおりです。

  • 「品質スコア」はオークションでは使われていない
  • 「品質スコア」は「品質」の目安となる数値
  • 「品質スコア」はキーワードの語句と完全に一致する検索での「品質」の推定値

「品質」は入試の点数、「品質スコア」は偏差値なイメージ

私は「品質」と「品質スコア」の違いを、受験と模擬試験で例えて説明しています。

「品質」を志望校の入学試験で獲得できた点数とすると、「品質スコア」は模擬試験の結果の偏差値みたいなものと言っています。

模擬試験の結果偏差値(品質スコア)がこれくらいなら、入学試験でこれくらいの点数(品質)が取れる可能性が高いですよ、というイメージです。


この例えがいいかなと思っているポイントは以下の点です。

  • 品質スコアは品質を推定するための数値であることがイメージしやすい
  • 品質スコアをいくら改善しても、実際の品質が高まらないと意味がないことがイメージしやすい
  • ところが、品質スコアは品質をかなり限られた範囲でしか推定していないこともイメージしやすい

つまりどういうことかと言うと、「品質スコア」はあくまで、そのキーワードと完全に一致する語句で検索された場合に、そのキーワードと同じ広告グループに入っている広告どれかが表示された場合の、品質を10段階で推定しているものなのです。

なので、実際の広告が表示されることになった検索語句がキーワードの語句と異なるものであれば、品質スコアは正しい推定になりません。入試の例で言えば、数学の偏差値が70だったとしても、出題範囲が模擬試験と異なり、入試では数学の中でも苦手な分野が出題されてしまったら偏差値70相当の点数が取れないこともありうるということです。


リスティング広告の成果改善に「品質スコア」を活かす方法

「品質スコア」は、キーワードの語句と完全に一致する検索での品質の推定値なので、理屈上はキーワードのマッチタイプが完全一致なら、品質スコアが高い = 品質が高い と判断して差し支えありません。

また、部分一致やフレーズ一致など、完全一致以外のキーワードの場合は、検索語句を見てあげると良いでしょう。部分一致だったとて、キーワードの語句と検索語句が近ければ、品質スコアの上下と品質の上下は近くなるはずなので。

なので、「品質スコア」をリスティング広告の成果改善の目安にしたい場合、完全一致のインプレッションシェアを高めていく、具体的には一定回数以上広告が表示された検索語句を完全一致のキーワードとして追加していくことになります。


ところで、キーワードを増やしすぎることは個人的にはあまりおすすめしていません。なので、落とし所としては、ある程度のボリュームがあって、1位に表示させたい言葉などの注力したい主要な検索語句は完全一致のキーワードにして品質スコアを見ると良いかなと思います。

それ以外の検索語句は部分一致のキーワードで拾う感じにして、この部分一致のキーワードについては品質スコアは見ない方がいいでしょう。慣れないうちはミスリードになるので。


品質に関するよくある誤解

最後に、わたしが代理店・広告主のコンサルティングをしている際に、運用者や運用を少し分かっている人から言われた事がある、品質に関する誤解を紹介します。


完全一致のキーワードの方が関連性が高いから品質スコアが高い

一般論として、完全一致のキーワードのほうが(よっぽど変なキーワードでない限り)、CPAが低く抑えられていることが多いですが、これは主にCVRが高いことによる効果で、品質が高いからではありません。

品質はあくまで、検索語句と広告文の関係で算出されるので、広告が表示されるきっかけになったキーワードが部分一致でも完全一致でも、品質の評価には無関係です。

また、「品質スコア」は、キーワードと完全に一致する語句で検索された場合の推定値、なので、部分一致でも完全一致でも推定している対象は同じなので、品質スコアの数値も同じになります。

ただし、「品質スコア」に関してはリアルタイム更新でないので、更新タイミングの兼合いなどで、同じ語句のマッチタイプ違いの品質スコアが異なっている場合がありますが、時間が経てば同じになります。


表示回数が少なくて品質がつかないから成果が改善しない

インプレションボリュームがあったほうが品質スコアが貯まって成果改善になる

どっちの言い方をする人もいるのですが、同じことです。

「品質」はオークションのたびに必ず計算されるので、品質がつかない、という状況は起こりえません。「品質スコア」の表示が「-」であることを、品質がつかない、と表現しているのだと思いますが、「品質」はオークションのたびに評価されています。

たしかに、「品質」の要素の中には過去の配信結果も含まれているので、表示回数が多いほうがより良く評価される可能性や、評価が早まる可能性は高くなります。

ところが、これはあくまで評価が早まるだけで、高まるとは限りません。入学試験を前倒しで受けるようなものなので、かえって早く低い品質評価を得ることになり、結果的に成果の悪化が早まることもあります。

また、「品質スコア」が「-」となる理由ですが、これは、そのキーワードの語句と完全に一致する検索語句での広告の表示回数が十分ではない、ことが理由です。なので、hagakureを集約化だと思っている人に多いのですが、インプレションボリュームがあった方が品質が貯まると思っている人は広告グループの表示回数を増やすためにキーワードをまとめたがりますが、まったくナンセンスであることがわかると思います。表示回数の意味が異なるので。


再入稿をすると品質がリセットされるから成果が悪化する

たしかに、再入稿をすると数日間は、広告のパターンの配信比率が変わったりするなど、配信がブレることはありますが、それも数日でもとに戻ります。

というのも、Google広告の学習はキーワードとか広告単位で行われているのではなく、ドメインと検索語句と広告文というレベルで行われているように感じます。検証のしようがないのですが、数々のリプレイス案件のスタートさせてきた感覚ではそう思います。

また、ユーザーの目線で考えてみても、検索した言葉・表示された広告・クリックした先のページがすべて同じならば、キャンペーン・広告グループが変わっても、アカウントが変わっても、ユーザー体験は同じです。Googleはそれは同じものとして評価したいだろうなと思います。

再構成が必要な場面なのであれば、数日でもとに戻る評価の変動を嫌って施策をためらうのはスマートではないと思います。


品質スコアが低いキーワードがアカウント内にあるとアカウント全体の品質が低下する

「だから、品質スコアが低いキーワードは削除しなければならない」と続くことが多いのですが、アカウントの品質というものは存在しません。

ひとつ前の項目と同じように、ユーザーの目線で考えると、検索語句と広告文とリンク先が同じならば、そのアカウントの中にどんなキーワードがあろうが関係ありません。



まとめ

今回は品質と品質スコアについてまとめてみました。


コンサルティングで運用者と話をしていると感じるのですが、リスティング広告の根幹の概念でありながら、案外ちゃんと答えられる人が多くないのが品質に関する事柄です。


もし知らなかったり、誤解していることがあったら、この機会に改めて整理してもらうきっかけになればと思って記事にしました。

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