「検索順位上位固定表示サービス」にご注意ください

作成日:2019/10/1

「検索順位上位固定表示サービス」にご注意ください

検索結果がユーザーにとって役立つものであるために、検索している人のインターネット体験を阻害しない広告ってなんだろう、なんて折に触れて考えてます。

わたしとしては、「検索されているところ恐れ入りますが、こういうのもありますので、よろしければ。。。」という、ユーザーにとっての選択肢を増やすものがリスティング広告のあるべき立ち位置かなと思ってたりします。


賃料を払い続けているのに2ヶ月間一度も自分の事務所に足を踏み入れていない野良の運用者、acssembleの新田です。この賃料を他のこと、例えば自社広告とかに使っていたら、、、とは考えないようにしています。


ところで、わたしは、まっとうな方法で運用をしている代理店や運用者の方とは切磋琢磨しながらお互いに高め合いたいと思っています。しかし、一方でユーザーの検索体験を阻害するような配信をするような代理店や運用者であったり、広告主を騙して金儲けをするような代理店や業者に対しては、厳しく対処してきましたし、これからもそうしていきます。


そんなわたしに運用をご依頼頂いている広告主様に対して電話営業をしてきた業者が悪質でしたので注意喚起のために共有します。「ビッグワードで検索結果の一番上に掲載されるようになります」「料金は◯円固定です」という内容の営業です。

この記事では、このようなサービスを「検索上位固定表示サービス」と呼びます。


※acssembleの記事は不定期更新です。

記事の更新情報はTwitterとfacebookでお知らせしますので、ぜひフォローしてください。


目次

「検索上位固定表示サービス」は要するにリスティング広告を配信するという意味

Googleにおいて、「検索結果の一番上に表示させる」という特別なメニューは存在しません。

これはGoogleにも確認しています。そのような特別なメニューはありません。

注)Yahoo!ですと、「プレミアムサーチディスプレイ」という、Yahoo!の検索結果の一番上に表示させるというメニューがあります。

2019年10月2日修正:Yahoo!のプレミアサーチディスプレイはサービス終了してました。


ところで、Googleの検索結果において、検索結果の一番上に表示されるのは、以下のいずれかです(記事作成時点で私が把握している限り)。

  • 検索連動型広告を配信して、ページ最上部のインプレッションを獲得した広告
  • Googleマイビジネスのビジネス情報
  • リッチスニペット
  • 自然検索で1位を獲得したサイト

このうち、コントロール可能なのは、「検索連動型広告を配信して、ページ最上部のインプレッションを獲得する」以外にありません。

ちなみに、営業電話を掛けてきた段階で「結局それリスティング広告ですよね」と聞くと、「はい!そうです!」と言う会社もいます。また、ごにょごにょと色々なことを言ってごまかそうとしたとしても、リスティング広告以外に手段はありませんので、リスティング広告です。


こういう電話が来たら、「あー、はいはい。リスティング広告ね」と思って問題ありません。



「検索上位固定表示サービス」は数字で考えれば無理があることが一目瞭然

今回の営業の内容は、「◯◯というキーワードで常に検索結果の一番上に掲載できます。しかも1ヶ月たったの3万円で!」という内容です。


◯◯に入る言葉は、いわゆるビッグワードでした。

実際の数値もお見せして説明しますので具体的なキーワードは出せませんが、例えば水回りのリフォームをされている業者様にとっての「リフォーム」とか、中古車の買取業者様にとっての「中古車」といった感じの、他のニーズまで含んでしまうような超ビッグワードでした。

そもそも、そのキーワードでの検索のうち、広告主様のニーズがある検索の割合ってどのくらいだろうかと考えると、決して有効なキーワードではなかったので、キーワードの選定にも疑問があります。ただ単に「ビッグワードなのに1位に3万円で出せる!すげぇ!」という、ウケ狙いのトークだとわたしは判断します。


なので、そのキーワード(厳密には検索語句)ではわたしは広告を配信していません。そもそもニーズに合わない検索も多いので、ユーザーの検索体験を損ねますし。


そのキーワードでのキーワードプランナーで、平均掲載順位が1位になるように配信した場合の1ヶ月の見積もり結果は以下のとおりです。スクショを貼るとPCに合わせるとスマホで見にくく、スマホに合わせるとPCで見にくいのでリストにしています。数値は一切加工していません。

  • クリック数:10,576
  • 表示回数:453,603
  • 費用:4,329,025円
  • 平均クリック単価:409円
  • 平均掲載順位:1位

到底、月額3万円で収まる数字ではありません。


とはいえ、上記は全国配信です。この広告主様は東京23区内にありますので、配信地域を東京に限定して試算してみます。キーワードプランナーのプランの概要では東京の割合は13%となっているので、この割合を使って試算すると以下のようになります。

  • クリック数:1,375
  • 表示回数:58,968
  • 費用:562,773円
  • 平均クリック単価:409円
  • 平均掲載順位:1位

まだまだ月額3万円からは遠いですね。


月額3万円に抑えるためには、この約5%以下にしなければなりません。ちなみに、東京都によると令和元年9月1日時点で、千代田区民・中央区民・渋谷区民・港区民を合計すると東京都民の5.2%となるようです。

~平成31年・令和元年 毎月1日現在の推計 ~

東京都の人口(推計)|東京都

とはいえ、これは人口比なので、インターネット人口比でいうとこれらの地域はもっと多くなりますので、もっと狭い範囲での配信にしないと業者は赤字になってしまいます。


個人的な印象では、たぶん千代田区だけに限定したとしても3万円に収まるかどうかだと思います。


そして、彼らは営業資料の中で「常に一番上に表示される」と言っているので、広告主が検索した場合に備えて、広告主が検索しても必ず表示されるようにビジネスの拠点から◯kmという範囲設定をするはずです。


もし、東京23区内にビジネスの拠点があるのなら、おそらく使えて半径は5km程度になると考えられます。


ビジネスの内容的にすぐ近くにいる人がだけが対象になるようなプロモーションなら良いですが、もう少し広い範囲にアプローチする必要がある場合は全く適しません



「検索上位固定表示サービス」を配信地域を限定する以外で実現する方法の検討

繰り返しになりますが、「検索結果画面の一番上に表示する」というメニューは存在しません。あくまで、検索連動型広告を配信し、そのような状況を実現する(実現できているように見せる)だけのものです。わたしの知る限り、「常に、一番上に」を実現するためには、上記のように配信地域を限定するほかありません。


もう一度条件を整理すると、

  • ビッグワードで
  • 常に
  • 一番上に
  • 表示する、という内容です。


これを、どこかをあきらめればいろいろな方法があります。例えば、

  • 検索ボリュームが小さいキーワードに変える
  • 配信時刻を限定する
  • ユーザーの属性を限定する
  • 「表示されたときは一番上だった(ただしインプレッション損失は発生している)」とする
  • 自然検索より上に表示させることで妥協する
  • など、ひとつもしくは複数の条件をあきらめれば方法はあります。


方法があるとはいえ、提案内容と異なるので、これらの方法を取ることは論外ですが。



「検索上位固定表示サービス」は依頼する価値があるのか

繰り返しになりますが、「検索結果画面の一番上に表示する」というメニューは存在しません。あくまで、検索連動型広告を配信し、そのような状況を実現する(実現できているように見せる)だけのものです。

また、実現する方法は配信地域をビジネスの拠点のまわりの狭い範囲に限定する以外には存在せず、それ以外の方法はどこか約束を破るほかありません。


つまり、店舗型のビジネスで、所在地のすぐ近くであることが有効な場合を除いて依頼する意味はまずないでしょう。たとえば、そうですね、靴の修理とか、自転車のパンク修理とかなら意味があるかもしれません。


一方で、これ系の迷惑電話 営業電話がよく掛かってくるであろう士業やクリニック、なにがしかの教室に関しては、多少の近い遠いよりも内容の良し悪しのほうが重要になってくるので、ある程度の距離は検討範囲に入りますから、配信地域を限定しすぎると適さないと思います。


なので、ビジネスの特性やアプローチすべきユーザーの所在地、周辺地域のインターネット人口などを照らし合わせて、依頼する価値があるかどうか検討すると良いと思います。ここまで検討できるなら外注する必要あるのかとも思いますが。



ところで、実際に依頼したとしたらその業者は何をするんでしょうか。


結論、何もしないはずです。キーワードは完全一致ひとつですし、月額3万円(広告費込み)で広告文に関して考えて、試して、とするとは思えません。少なくとも、わたしがまともに運用をしようと思ったら月額3万円(広告費込み)では何もできません。毎月請求書を作るのだって嫌です。


つまり、最初にアカウントを設定して、しばらくちゃんと1位に表示されるかどうか、彼らが赤字にならないかどうかを確認したら、あとは放置です。


はっきりいって、これなら誰でもできます。ヘルプに設定方法は全部書いてありますし、設定方法についてはGoogleに問い合わせすることも、ヘルプフォーラムで質問することもできます。専門知識も技術も経験も必要ありませんので、あえてお金を払ってやってもらう価値はありません。



まとめ

今回は「検索上位固定表示サービス」についてまとめてみました。


この記事の内容はあくまでわたしが見聞きした範囲の内容だけでまとめていますので、すべての「検索上位固定表示サービス」に類するサービスを提供している会社がこうではないかもしれません。

ただ、わたしが見聞きした範囲と、わたしの検索広告に関する運用知識の範囲から判断すると、情弱ビジネスとしか思えないもので、依頼する価値はないものだと思っています。同じ配信でいいなら自分たちでも十分にできますし、したとしても効果は微妙です。もっと良い配信の仕方があります。また、これ系の業者は契約期間が1年とかになっているので無駄だと気づいてもすぐには辞められなかったりします。


特にこの内容に限らないのですが、いわゆるローカルビジネス、たとえば、士業やクリニック、なにがしかの教室などで、組織が比較的大きくないビジネスは電話営業で狙われがちですので、ご注意ください。

「こんな営業を受けたんだけど、依頼して大丈夫かな?」と思われたり、このような相談を受けて判断に困る場合は、Twitterや質問箱でご相談ください。


お知り合いにローカルビジネスのビジネスオーナーをされてる方がいらっしゃいましたら、この記事を共有していただければ幸いです。


ご意見、感想などはTwitterなどでお送りいただけるとはげみになります。
記事の投稿は不定期です。最新の記事や反響の良かった記事についての情報はTwitterで発信していますので、ぜひフォローしてください。