【決定版】Google 広告のオークションシステムの解説

作成日:2020/5/21

【決定版】Google 広告のオークションシステムの解説

今回のアクセンブルのリスティング広告ブログでは、誤解をされやすいGoogle 広告のオークションの進行について解説します。


検索連動型広告のもっとも大切な仕組みなのですがなぜか誤解をされやすく、案外、経験が長い運用者のほうが間違えていることが多い内容ですので、この機会に改めて認識をアップデートしてもらうと良いと思います。また、Google 広告のオークションの進行を理解すれば、ほとんどのリスティング広告に関する都市伝説的な噂話の真偽を見破れるようになりますので、この機会に覚えてもらえればと思って書きました。


結論を言ってしまうと、Google 広告のオークションは、キーワードだけで行われているわけでも、広告だけで行われているわけでもありません。キーワードにはキーワードの役割が、広告には広告の役割があります。


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目次

まずはGoogle 広告のヘルプの「オークション」のページを読みましょう

Google 広告のことを理解するためには、該当のヘルプページをよく読むことが大切です。また、Yahoo!広告の検索広告についても、裏側のシステムはGoogleのものを利用しているので、Yahoo!広告の検索広告についても同じ考え方で大丈夫です。Google 広告のヘルプのオークションのページ(オークション|Google 広告 ヘルプ)には以下のように書かれています。

  • 1. ユーザーが検索を行うと、その検索内容と一致するキーワードが設定された広告がすべて検出されます。
  • 2. 検出された広告のうち、別の国をターゲットとする広告やポリシー違反に基づいて不承認となっている広告など、対象外の広告は無視されます。
  • 3. 残った広告の中で広告ランクが十分に高いものだけが表示されます。広告ランクとは、入札単価や広告の品質、広告ランクの最低基準、ユーザーの検索状況、広告表示オプションやその他の広告フォーマットの見込み効果に基づいて算出されるスコアです。

オークション|Google 広告 ヘルプ

簡単にキーワードと広告のそれぞれの役割をまとめると、以下のようになります。

キーワードの使われ方、
・広告がオークションの対象になるかどうかの判定に使われる
・広告ランクの計算にキーワードの入札価格が使われる

広告の使われかた、
・検索語句と広告文とリンク先の関係で、広告ランクの計算に必要な品質の計算に使われる

※広告ランクと品質については、過去の記事「リスティング広告の「品質」と「品質スコア」についてもう一度学ぶ記事|アクセンブル」をあわせてお読みください


Google 広告のオークションの進行を図解します

厳密には広告のローテーションなど、広告のセレクションに関する調整も入るので必ずしも以下の流れが正確ではありませんが、概念としては実務上問題がないレベルでまとめています。


Step 1:登録してあるキーワードが検索語句と関連するかどうか判定されます

あるユーザーが「リスティング広告 代理店」と検索した場合を例に説明します。仮に、Google 広告上に広告主AからEまでの5アカウントしか存在しない場合を考えてみます(現実には絶対にそんなことはありえないのですが)。

Google 広告のオークションの説明:対象の広告主はすべて

すべてのキーワードについて、マッチタイプや語句から、検索語句と関連するかどうかが判定されます。

Google 広告のオークションの説明:キーワードの判定

特に部分一致のキーワードに関して、キーワードが検索語句と関連するかどうかは、品質などは関係なく言葉の意味だけでGoogleの基準で判定されます。


Step 2:関連するキーワードが登録されていた広告グループで配信されている広告が品質評価の対象になります

Step 1で関連すると判定されたキーワードが登録されている広告グループでも、そのキャンペーンの配信対象の国や言語が対象外の場合はオークションの対象から外されます。

Google 広告のオークションの説明:配信地域および言語の判定

Step 1で選出されたキーワードが登録されている広告グループに登録されているすべての有効な広告が品質評価の対象になります。

Google 広告のオークションの説明:品質評価対象の広告の選出

Setp 3:すべての広告と検索語句とリンク先の関係で品質が算出されます

本当の品質は10段階でもないですし整数でもないのですが、今回は簡単にするために品質スコアと合わせて10段階の整数になるものとします。

Google 広告のオークションの説明:品質評価

品質の評価ではキーワードは関係してこない点に注意が必要です。これは、ユーザーの目線で考えてみるとわかりやすいと思いますが、ユーザーが検索した検索語句も、表示された広告も、クリックした際に見ることになるページも、すべて同じなのに設定されていたキーワードが異なっただけでユーザーの体験が変わるのか、というと変わらないのは想像できると思います。Google 広告の品質評価は、ユーザーからの評価を擬似的に再現しているものなので、ユーザーからの評価が変わらない = Google 広告の品質評価も変わらない、と考えておいて実務上はまったく問題がありません。管理画面上ではキーワードに品質スコアがふられているので誤解しがちな点ですが、キーワードは品質評価には関係しないのでご注意ください。


Step 4:入札価格が使用されるキーワードが決定されます

Google 広告のオークションの説明:キーワードの入札価格

広告グループ内の複数のキーワードが関連している場合は、「マッチタイプが完全一致のほうが優先される」などの優先順位によって使用されるキーワードが選ばれます。キーワードの優先順位については、Google 広告のヘルプをお読みください。

同じ広告グループで類似するキーワードを使用している場合について|Google 広告 ヘルプ

異なる広告グループにある類似キーワードについて|Google 広告 ヘルプ


なお、どちらのパターンでも「広告ランクが高いキーワード」という表現が登場します。これは、正しく説明しようとするとそれだけで記事が3本くらいになりますから詳細は割愛します。この記事で説明したいこととは直接関係がないので、ここでは、まずはそれぞれの広告グループ内では検索語句とキーワードのテキストが完全に一致するキーワード → マッチタイプが完全一致のもの → 入札価格が高い方、という順で選ばれて、広告グループをまたぐ場合は広告ランクが高い方、という扱いにします(本当はもっと色々考えなければならないのですが)。

Google 広告のオークションの説明:入札価格が使用されるキーワードの選出

Step 5:キーワードに設定されている入札価格に品質をかけ合わせて広告ランクが算出されます

Google 広告のオークションの説明:広告ランクの算出

ここでも特定の広告だけではなく、すべての広告について広告ランクが計算されます。これは未確認のため、あくまで論理的に、こう考えれば破綻しないというわたしの推測ですが、広告ローテーションで「最適化しない(均等配信)」を選択した場合は、ここの広告の品質評価に調整が加えられて、最終的な広告ランクが広告グループ内で近くなるようにされているのだと思います。つまり、本来は品質があまり高くない広告に下駄を履かせて広告ランクを押し上げることになるので、ユーザーからの評価が高くない可能性がある広告を無理やり表示させる可能性があるので、Googleは推奨していないのでしょう。


Step 6:表示される広告が決まります

まずはじめに、各広告グループ内で一番広告ランクが高い広告が残ります。

Google 広告のオークションの説明:広告グループ内の広告のセレクション

次に、予算不足で表示できないキャンペーンの広告が省かれます。

Google 広告のオークションの説明:予算不足の広告が省かれる

その後、アカウント内で一番広告ランクが高い広告が選ばれます。

Google 広告のオークションの説明:アカウント内での広告のセレクション

最後に、広告ランクが高い順に広告枠が与えられていきますが、一定以上の広告ランクに達していないと省かれることがあります(今回は広告ランクの下限を仮に2,000にしてみます)。

Google 広告のオークションの説明:広告の掲載

このようにGoogle 広告のオークションは進行して、表示される広告とその掲載位置が決められます。

「広告文が大事だ」って言われる意味がわかりますよね

このGoogle 広告のオークションの進行や品質評価を理解すると、「リスティング広告では広告文が大切」と言われる意味がわかると思います。オークションのことや品質評価のことを理解しないで広告文の試行錯誤をしても、まぐれ当たりで良い広告を作れることもあるかもしれません。ですが、原理原則を理解した上で試行錯誤をしたほうがやっぱりスピードは早いですよね。要するに、広告が表示されるかどうかが決まる広告ランクは、品質評価に大きく影響を受け、品質評価は検索語句と広告文とリンク先の関係によって決まります。広告文を変えると同じ検索語句での品質評価が変化するのは容易に想像できると思いますが、もっと重要なのは、広告文を変えると品質が高く評価される検索語句も変化してきますので、広告が表示される検索語句が変化してきます。

つまり、狙った検索語句でより良い位置に、より低いクリック単価で広告を表示させるためにも、より多くの検索語句で広告を表示させてニーズがある検索語句を探すためにも、どちらの観点でも広告文に対して取り組むことがとても重要です。キーワードの発掘とか言ってキーワードに時間を掛けて探していくらキーワードを追加したとしても、広告文を使いまわしているのならまったくと言っていいほど意味がありません。それだったら、キーワードは同じまま見出しを変えた広告を追加したほうがよっぽど効果があります。

まとめ

ポイントとしては、Google 広告のオークションと品質評価を理解すると、Google 広告の運用成果の改善のために何をすればいいかがわかると思います。つまり、特定の検索語句での掲載位置やインプレッションシェアやクリック単価を改善することを意識して広告を作るのか、広告が表示される検索語句を広げに行くことを目的に広告を作るのか、など、考えをもって広告の改善に取り組むことができるようになるはずです。また、大半のリスティング広告運用に関する都市伝説的な噂はオークションや品質評価に関するところなので、オークションや品質評価を理解しておくとこのような妄言に惑わされないようになります。もし誤解があった方はこの機会に覚え直してもらうと良いでしょう。


追伸:各代理店様は、新しいメンバーにはこの記事をまず読んでもらって、オークションと品質評価について勉強してもらうと良いと思いますよ(露骨に拡散をお願いしていくスタイル)。


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